時を駆ける炒飯

やー、つい先ほど帰宅途中でとても不思議な体験をしてしまった。とりあえずその顛末を記しておこうと思う。

 

8時過ぎに仕事を終え帰路につき、通勤路上のコンビニに向かったところ、コンビニの筋向かいに新しいラーメン屋がオープンしている事に気づく。昨日も近くの行きつけの佐野ラーメンの店に行ったのだが、まぁちとのぞいてみようと思い、コンビニで晩飯を買わずにそのラーメン屋に向かった。

お約束の開店祝いの花の間を通り入店。狭い店である。客が一人ラーメンを食べていた。左手に食券機があったのでラーメンと味玉の券を買っていたら、店員が寄ってきて「すみません……」と話しかけてきた。

ん?何か変な事しでかしたか?と思ったら店員曰く、

「すみません、今スープが切れてしまって、1時間ぐらいかかるんですが…」

との事。

さすがにそこまでは待てないので断ろうと思ったが、せっかく入ったので(つーかもう飯の確保がめんどくさかったので)「ラーメン以外はないですか?」と尋ねると「ヤキメシができます」との事だったのでそれを注文。食券をキャンセルし釣りをもらう。

店員は若い男性3人。今日オープンとの事で、テーブルやら椅子やらがやけに真新しい。壁に時計は掛かっていなかった。

カウンターに座ると先客が帰っていった。店員の一人がやたら威勢のいい声で「あぃがとざぁぃしたー!」と叫ぶ。なんか典型的な「今時のラーメン屋の店員」て感じ。

目の前の厨房で店員がチャーハンを作る。やはりやけに威勢がいい。

そしてチャーハンがスープと共に出てくる。まぁうまい。飯がパラパラ。ラーメン屋のチャーハンは久々に食べたが、これはやはり家では作れない味。

そうこうしているうちに、2人連れの男性客が入ってくる。店員が寄っていって客が券を買う前に「すみません、今スープが切れてしまって、1時間くらいかかるんですが…」と告げている。客は帰った。やはりそんなに気の長い人はいないようだ。

その後数分間で2組ほど来客があったが、やはり店員が「すみませんスープが切れちゃって1時間…」と断りを入れる。客は帰る。

そんなやりとりが2、3度繰り返され、チャーハンが半分ぐらいなくなった頃、新たに入ってきた客に対し店員がかけた言葉に私は耳を疑った

 

「すみません、今スープが切れてしまって、

5分ぐらいお待ちいただければ大丈夫なんですが…」

 

…ぇえええ~???

 

さっきの客帰ってから今の客までに1分ぐらいしか経ってないと思ったが、実は55分経っていたのか?! 時を駆けたのか私は?チャーハン食ってる間に??

何かの聞き間違いかと思ったが、客は「あ、じゃあ」てな具合に席についている。そのうちに次の客が入ってきたが、やはり店員は「5分ぐらいかかりますが大丈夫ですか?」と声をかけ、客は「あ、大丈夫」と言って席についている…。

うーむ、どうやら本当にあと5分でスープはできるらしい。狐につままれたような気持のまま、チャーハンを食い終わった私はすぐ店を後にしたのだった…。

家に帰り時計を見たが、9時前だった。謎は深まるばかり……

 

とまぁこんなことがありました。今思うとむしろ5分待ってみれば、あるいはラーメンを追加注文してみればより面白いものが見られた気もしますが、そこまで付き合う気力もあまりなかったので撤収してしまいました。
チャーハンと中華スープは普通にうまかったのでさして文句はないです。24時間やってる店のようなので今度また寄ってみよう。今度はラーメンにありつけるだろうか。

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